食べるものと同じぐらい、安全な化粧品基準を
「もし非営利組織である『IFOAM』がオーガニックコスメの基準を作れば、その影響はとても大きいと思うのですが」と言う私に対して、理事長のキャサリンさんはこう応えた。
「最近、『IFOAM』に、オーガニックコスメの世界基準を作って欲しいという依頼があちこちから来ていることはたしかです。しかし現在、『IFOAM』には、化粧品成分に詳しいスタッフがいないため、すぐに基準を作るのは難しいと思います」。
もし「IFOAM」が基準を作るとしたら、多くの時間と人材をかけねばならないだろうとのことだった。だが今のところ、まだその準備ができていないとのことだった。
とはいえ、「IFOAM」は、まったく化粧品基準に関与しようといていないわけではない。「IFOAM」は、三年おきに世界の各都市で世界大会を催している。2011年には、韓国で大会が開催される。そこではオーガニックコスメの基準について議題が出される予定があるとのこと。
「韓国と日本は近いことですし、ぜひアイシスガイアネットも『IFOAM』のメンバーとして参加して、オーガニックコスメの基準について意見を出してください」という要請がトーマスさんの口から出た。
「アイシスガイアネット」としても、単行本「オーガニックコスメ」シリーズを出版してきた経験をもとに、オーガニックコスメの基準について提案していきたいという意向を持っていたので、トーマスさんの言葉におおいに励まされた思いだった。
農産物や加工食品の認証は、今や誰にでも受け入れられる普遍的な統一基準があるが、オーガニックコスメのほうは、その製造方法において難問が横たわっているために基準は揺れ動いている。
消費者の立場から活動してきた「IFOAM」の活動を踏まえて、理事長キャサリンさんは、化粧品の基準作りについてこんなアドバイスをした。
『IFOAM』には、すでに加工食品のオーガニック基準があるので、これを参考にオーガニックコスメの基準作りに役立てるのがいいかもしれませんね。化粧品は、食べ物と同じぐらいの安全性が求められるべきだと思いますから」。
そのキャサリンさんのシンプルな言葉には、深い共感を覚えた。
たしかに最終的に消費者が望むものは、食品と同じぐらい安全な化粧品というじつにシンプルな基準であろう。(了)
日本オーガニックコスメ協会(JOCA)
2007年、「日本オーガニックコスメ協会」は、環境NGOアイシスガイアネットが2001年以来の「オーガニックコスメ」の出版、「アイシス オーガニックコスメClub」のイベント活動という実績をさらに発展させる形で設立された。「日本オーガニックコスメ協会」は各分野の専門家と協力しながら、消費者の立場から基準作りを進め、本当に安心できるオーガニックコスメを普及させることを活動の目的としている。
「JOCA」ホームページ http://joca.jp/
PROFILE
水上 洋子(みなかみ ようこ)
日本オーガニックコスメ協会 代表
同志社大学卒業。1980年、『素敵な朝帰り』(角川書店)発表して、作家としてデビューする。その後、「恋愛以上」、「ユニコーンによろしく」、「恋愛コレクション」「もう一度プラトニックラブ」(角川書店)、「ハーフムーン」(講談社)「楽園作り」(講談社)、「月がくれた愛人」(幻冬舎)、「女神が遺した国エジプト」など、女性の生き方と環境をテーマにした著書50冊以上。現在、環境とオーガニックをテーマにした株式会社「アイシス」の取締役もつとめる。