有機JAS認証制度が2001年に施行されて以来、オーガニック産品に対する関心は高まったものの、有機農業の全農地に占める割合は5年後の2006年でも僅か0.18%でしかなかった。しかし、近年、食品スキャンダルが相次いで発生したため、消費者の安心安全な食料品や環境に対する意識が高まってきた。
有機JAS認証の基準は、化学的に合成された農薬及び肥料の使用を回避することを基本とし、播種または植え付け前2年以上の間、堆肥等による土作りを行った圃場において生産を行い、遺伝子組み換え技術を使用していないことであるが、消費者が有機製品への注目を高めても、有機JAS基準があまり知られていないことが大きな問題となっている。
また、普通の食品と有機食品の価格差が非常に大きいため、有機食品に興味を持っていても購入を控える消費者が多く、購入者の増加はなかなか難しい。
有機生産はさまざまな機関に支援されている。たとえば IFOAM Japan はオーガニック製品への意識を高めることを目的とし、会議やイベントなどを開催している。また、日本有機農業研究会 (JOAA) の主な活動は有機農業の探求、実践、普及啓発である。そしてオーガニック製品の専門見本市BioFachも、有機製品への意識向上に貢献してくれるだろう。
日本でオーガニック市場の売り上げを伸ばせる可能性は確かに存在している。そのポテンシャルを実現するためには、まず価格差を縮め、顧客の拡大を目標として、それぞれの機関が主体となって有機製品への消費者の意識を一層高めることが急務の課題である。
PROFILE
バウアー・礼美 (Remi Bauer)
1988年ドイツ生まれ、現在はケルン・ビジネススクールで国際経営学を学ぶ大学生。2004年から2005年までサウスウェストスター・コンセプトスクールの留学生。2008年8月から2009年8月までテンプル大学でアジア太平洋マネージメントを学ぶ。またエービーシーエンタープライズ株式会社のインターンとして自ら市場調査に臨んだ。